バーの内装で深酒届出が通らない!仕切り・個室・カーテン・照度が引き起こすトラブルと解決策を行政書士が解説

「こだわりの内装でバーを作りたい!」

お店をオープンするにあたり、お店の内装にこだわりたい!というのは当然の気持ちです。しかし、そのこだわりで深酒届出の壁にぶつかることがあります

特に多いのが、仕切り・半個室・カーテン・パーテーション・照度に関するトラブルです。

この記事では、深夜酒類提供飲食店(深酒)の届出において内装構造がどのように審査されるか、また「バーらしい雰囲気」と「届出が通る構造」を両立させたい方に向けて、行政書士が実務目線で解説します!


目次

深酒届出は「所轄警察署への届出」です。

警察が内装を確認する目的はひとつ——

「犯罪や問題行為が起きにくい構造かどうか」

を確認するためです。

深夜の飲酒を伴う店舗では、密室・暗所・見通しの悪い空間が問題行為の温床になりやすいと判断されます。

そのため、届出書と一緒に提出する図面を見て、警察は次の点を確認します。

  • 客席が外から見えやすい構造になっているか
  • 見通しの悪い個室・密室がないか
  • 照度が確保されているか
  • 客とスタッフの動線が不明瞭でないか

この確認に合格しない図面・構造は、受理されません


NG① 完全個室・半個室構造

客席を個室・半個室にすると、基本的に警察から構造の入念なチェックが入ります。

  • 天井まで届く仕切りで囲まれた個室
  • 扉やカーテンで閉じられた客席
  • 「VIPルーム」的な完全個室スペース

ただし、上記のような個室があったとしても、法律で定める面積数をクリアしていれば個室OKの場合もあります。

(9.5㎡ルールと言われています)

面積数をクリアしていない構造は深酒届出の基本要件である「見通しがきく構造」とは言えないため、受理されません。

NG② カーテン・のれん・パーテーションによる仕切り

「固定の壁ではなくカーテンだからOK」——残念ながらそうはいきません。

カーテンやのれんであっても、「客席の視界を遮る仕切り」とみなされれば受理は難しくなります。

特に以下のようなケースは指摘されやすいです。

  • 客が座った状態で外から見えないカーテン
  • 床から天井近くまで覆うのれん
  • 複数の席をひとまとめに仕切るパーテーション

NG③ 照度が低すぎる

バーの雰囲気づくりに欠かせない間接照明・ムード照明ですが、度が過ぎると問題になります。

深酒届出では図面に照明設備の位置・種類・ワット数(W数)を記載します。合計光度が基準を下回ると指摘の対象です。

「バーらしい暗い雰囲気にしたい」という気持ちはわかりますが、届出が通る照度設計が必要となってきます。

NG④ カウンターに死角を生む高い仕切り

カウンター上に高い仕切り板が設けられていて、隣の客やスタッフから見えない「死角」が生まれる構造も問題になります。

カウンターの仕切り板は、座った状態で互いの顔が見える高さが求められます。


「個室っぽい雰囲気を出したいけど、届出が通る内装にしたい」

この二つを両立させることはそこまで難しくはありません。ポイントは、「仕切りがあっても視界が通る構造」にすることです。

こだわりたい要素NGな実装OKな実装の工夫
仕切りで席を区切りたい天井まで届く壁・個室おおむね99㎝以下(座った状態で頭が見える)までの仕切り
カーテン・のれんを使いたい床〜天井を覆う長さ天井から頭の高さ程度に留める・もしくは壁沿いでの設置
ムードのある照明暗すぎる照度(19ルクス以下)ダウンライト+間接照明の組み合わせで基準照度(20ルクス以上)を確保
バーカウンターの仕切り高すぎる仕切り板座高+α程度(客室内の見通しを妨げない高さ)に抑える

内装デザイナーとの打ち合わせ段階で行政書士に相談してもらえると、「作り直し」になるリスクを大幅に減らせます

居抜き物件の場合、前テナントが作った内装がそのまま残っていることがあります。

前のオーナーが深酒届出をしていた物件でも、前の届出は新オーナーには引き継がれません新しいオーナーが改めて届出をするとき、内装構造をイチから確認されます。

そのとき「前はOKだったのに今回はNG」という事態が起こることも少なくありません。

理由は2つあります。

  • 担当者・法令の改正による判断の変化
  • 内装の実態をより厳密に確認されるようになった

居抜き物件だからといって「そのまま使える」と思い込まず、専門家に一度確認してもらうことをおすすめします。

深酒届出では、警察が図面と測量後の面積表やお店の配置図を照らし合わせます。

図面に記載された仕切りの高さ・照明の位置・カウンターの寸法などが実態と違うと、受理されません。

また、「実際にはないのに図面に記載なし」「実際にあるのに図面に未記載」、どちらのパターンも問題になります。

図面は「現況そのもの」を正確に反映させる必要があります。

行政書士は実際に店舗へ出向いて測量し、現況を正確に図面化します。自分で図面を作成しようとする方は細かい部分で警察から指摘を受け、補正を繰り返すパターンが非常に多いです。


内装工事に関して行政書士に相談するベストなタイミングは、内装設計の打ち合わせ段階です。

「工事が終わってから相談したら、仕切りを全部撤去するよう言われた」というケースは残念ながら少なくありません。

設計段階であれば、届出要件を満たしながらデザインを調整できるので、コストも時間も最小限で済みます。


開業前に内装の構造を今一度チェックしてみましょう。

✅ 完全個室・半個室になっている客席はないか
✅ カーテン・のれん・パーテーションで視界が遮られる箇所はないか
✅ 照度は確保されているか(照明の種類・W数を把握しているか)
✅ カウンターの仕切り板の高さが見通しを妨げないか
✅ 図面は工事完了後の現況を正確に反映しているか

「内装のこだわりと届出を両立させたい」「内装設計前に相談したい」「図面の作成を任せたい」というオーナー様、相談料は無料となっておりますので、ぜひご相談ください!


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この記事を書いたのは

あおい行政書士事務所

行政書士 中村佳織

神奈川県在住。高校生と中学生の二児の母。最近子どもの反抗期に参っていて、己の精神力アップの修行中。

趣味はサウナ・岩盤浴、そしてラーメン巡り。

お酒好き。柴犬のぽん(♀)に毎日癒されてます。

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