【届出後も要注意】深酒届出の変更届・廃業届はいつ必要?手続き・必要書類・タイミングを行政書士が解説

「深酒届出を無事に出してお店をオープンできた!」

でも、開業後にこんなことが起きていませんか?

  • お店の名前を変えた
  • 内装を改装した
  • 法人の役員を変更した
  • 閉店することになった

深夜酒類提供飲食店営業開始届出(深酒届出)は、一度出せばずっと有効というわけではありません。届出内容に変更が生じた場合や廃業した場合には、別途の届出が必要です。

変更届・廃業届を出さずに放置した場合、指導・罰則の対象になるリスクがあります。

深酒届出の変更や廃業の手続きについて、風営法に特化した行政書士が実務目線で解説します!

目次

深酒届出は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第33条に基づく手続きです。

同法では、届出内容に変更が生じた場合や廃業した場合の届出義務も定められています。

「出しっぱなしでいい」という認識は誤りです。変更があれば都度、所轄警察署への届出が必要です。

① 屋号(店名)の変更

お店の名前が変わった場合は変更届が必要です。「バー〇〇」から「バー△△」への変更、看板の表記変更なども対象となります。店名を変更する場合、飲食店営業許可証の変更も必要となってきますので、保健所での手続きを行ってから変更届を提出しましょう。

② 届出者(個人・法人)の住所変更

個人の届出者または法人代表者・役員の住所が変わった場合は変更届が必要です。

基本的に本籍記載の住民票の写しを提出します。

③ 店舗の構造変更(内装工事)

内装工事で店舗の構造が変わった場合も変更届の対象です。具体的には——

  • カウンターの撤去・増設
  • 間仕切りの変更・追加
  • 客室の位置や床面積の変更

このような変更があった場合、変更後の状態を反映した図面を作り直して添付する必要があります。

④音響・照明設備の変更

例えばカラオケの機材を新しくした、最新式のスピーカーを導入した、照明設備のワット数を変更した、といった場合にも図面と共に変更届の提出が必要です。

ただし、同程度の出力のスピーカーや、ただ単に同じワット数のライトに付け替えた、というケースは変更届出の必要がないこともあります。判断に迷ったら、管轄の警察署か行政書士にご相談ください。

⑤法人の名称・役員変更

法人で届出をしている場合、代表取締役など役員に変更があった際に届出が必要になります。履歴事項全部証明書(登記簿謄本)も併せて提出します。

変更内容によって必要書類が異なります。主なものは以下の通りです。

変更内容主な必要書類
屋号の変更変更届出書、飲食店営業許可証の写し
個人法人の住所変更変更届出書、本籍記載の住民票の写し
構造変更(内装・音響照明)変更届出書、変更後の平面図・求積図・照明設備図・音響設備図
法人役員の変更変更届出書、履歴事項全部証明書

書類の様式・添付物の詳細は所轄警察署によって異なることがあります。事前に警察署に確認するか、風営法を取り扱っている行政書士に相談するのがスムーズです。


閉業した場合は、廃業届(廃止届出書)を所轄警察署へ提出する必要があります。

「閉めたんだからもう関係ない」と届出をしないまま放置してしまうオーナー様が多いのですが、廃業届を出さないと次のような問題が起きかねません。

  • 同じ物件で別の人が新たに深酒届出をしようとしたとき、手続きが複雑になる
  • 警察の管理データに「営業中」のまま残り続ける

閉業した場合は速やかに廃業届を提出しましょう。


変更届を出さずに実態が変わっている状態で営業を続けると、どうなるのでしょうか。

たとえば——

  • 届出書の屋号と実際の看板が違う
  • 音響設備を入れ替えて騒音対策が不十分になり近隣から通報された
  • 内装工事後も図面を更新していない

こうした状態で警察の立入調査が入ると、届出内容との違いを指摘され行政指導の対象になります。悪質と判断された場合は、罰則の対象になることもあります。


変更届のタイミングは、変更が生じた後、速やかにが原則です。

「変更前に出す」のではなく、「変更後に提出」します。

変更内容変更届出を行うタイミング
屋号の変更変更から10日以内
個人法人の住所変更(個人)変更から10日以内 (法人)変更から20日以内
構造変更(内装・音響照明)変更から10日以内
法人役員の変更変更から20日以内

基本的に個人だと10日以内、法人だと20日以内、と覚えておきましょう。法人の方が個人に比べて期間が長いのは、登記の関係で履歴事項全部証明書の用意を考えると個人より時間がかかるからだと考えられます。

ただし、構造変更(内装・音響照明)を伴う場合は——

工事完了後の現況で図面を作成 → 警察署へ届出

という順番になります。工事中の図面での届出は受理されません。

廃業届については廃業後、10日以内に提出します。


変更届・廃業届は「書類を出すだけ」に見えますが、実務では意外な難しさがあります。

  • どの変更が届出対象かの判断が難しい
  • 構造変更の場合、図面の修正・作成に専門知識が必要
  • 所轄警察署によって書類の様式や要求が異なる

行政書士に依頼することで、届出が必要かどうかの判断から書類作成・提出まで一括で対応できます。

特に内装変更を伴う場合は図面の修正が必要になるため、お早めのご相談をおすすめします。


Q. 店名を変えただけでも届出が必要なの? → はい。屋号の変更は変更届の対象です。

Q. 内装工事をしたら必ず届出が必要か? → 新たに間仕切りを設けるなど、構造に変更があれば必要です。変更後の図面を添付して届出します。

Q. 廃業届を出し忘れたらどうなる? → 直ちに罰則処分にはなりづらいところですが、その物件で次のオーナーが届出する際に問題が生じる場合があります。廃業後は10日以内に提出してください。

Q. 個人から法人に変更する場合は変更届でいい? → いいえ。名義の変更はできないため「廃業届+新規届出」となります。所轄警察署か行政書士にご確認ください。


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この記事を書いたのは

あおい行政書士事務所

行政書士 中村佳織

神奈川県在住。高校生と中学生の二児の母。最近子どもの反抗期に参っていて、己の精神力アップの修行中。

趣味はサウナ・岩盤浴、そしてラーメン巡り。

お酒好き。柴犬のぽん(♀)に毎日癒されてます。

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