【保存版】深夜酒類提供飲食店営業開始届出とは?必要書類・手続き・図面まで徹底解説|知らないと危ない「無届営業」のリアル

「夜のバーを始めたい」「0時を過ぎてもお酒を提供したい」
そんなときに必ず知っておくべき手続きが、【深夜酒類提供飲食店営業開始届出(以下、深酒届出)】です。

しかし、実際の現場では——

……という相談が本当に多いんです。

この記事では、深酒届出の本質・必要書類・図面・注意点・よくある誤解・無届リスクまでを、初心者の方でも理解できるように整理して解説します。

さらに、実際のトラブル事例や“夜の街で起きた話も織り交ぜてお伝えします。
この記事で深酒届出の基本的な内容を理解していただけるかと思います。


深夜酒類提供飲食店営業開始届出とは何か

深酒届出とは、深夜(午前0時〜午前6時)にお酒を提供する飲食店が、営業開始前に所轄警察署へ提出する届出です。

❌ よくある誤解

  • 飲食店営業許可 → 保健所
  • 深夜0時以降に酒を提供 → 警察署に届出

この2つを混同して「保健所に許可出したから大丈夫」と思ってしまうオーナーさんが本当に多いです。

✔ 深酒届出が必要になる店の代表例

  • 深夜2時まで営業するバー
  • ガールズバー(接待なしの場合)
  • ダーツバー
  • 深夜営業の居酒屋
  • ラウンジ(接待をしない形態)
  • 深夜のカラオケバー

「接待なし」+「深夜お酒提供」の組み合わせで必要になります。


風営1号許可(キャバクラ・ホストクラブなど)との違い

深酒届出と混同されやすいのが、【風営法1号許可(キャバクラ・ホストクラブ等)】です。

✔ 違いをまとめると——

内容深酒届出風営1号許可
接待行為❌ しない✔ する
深夜営業0〜6時はOK0〜6時は原則NG
図面の難易度
警察のチェック届出受理のみ現地調査あり
手続き簡易非常に厳格

つまり、
「深夜までやるけど、接待はしない」 → 深酒届出
「深夜じゃなくても接待する(キャバ・ホスト等)」 → 風営1号許可

となります。


なぜ深酒届出が必要なのか?背景にある“夜の街のトラブル”

深夜営業のお店では、次のようなトラブルが多い傾向があります。

  • 深夜に酔客同士のトラブルが発生
  • 近隣からの騒音クレーム
  • 店舗周辺での客引き(違法行為)
  • 未成年飲酒の危険
  • 刑法犯の発生率が昼間より高い

そのため、警察側では「深夜にお酒を提供する店を把握しておきたい」という意図があります。

💡 実際にあったケース(行政書士相談より)

深夜2時まで営業のバーが、深酒届出を提出せず営業。
近隣から苦情が入り、警察が確認したところ無届営業が判明
店長は警告を受け、すぐに届出+営業停止期間が発生。

このように、無届が発覚するのはトラブルが起きたときが一番多いケースです。
だからこそ、オープン前の段階で正しく手続きをする必要があります。


深酒届出の必要書類(警察提出用)

深酒届出に必要な書類は、警察署によって若干違いますが、一般的には以下の通りです。

▼ 基本書類

  • 営業開始届出書(警察署指定の書式)
  • 営業の方法を記載した書類
  • 店舗の平面図
  • 店舗の求積図(面積と用途を明確に)
  • 用途地域証明書(周辺施設を含む地図)
  • 照明設備図(光度・配置)
  • 音響設備図(カラオケ・スピーカー位置)
  • メニュー表
  • (法人の場合)定款
  • (法人の場合)履歴事項全部証明書

▼ よくあるミス

  • 縮尺が入っていない
  • 設備の寸法が記載されていない
  • 出入口の位置が不明瞭
  • 客室の広さの算出ミス
  • 個室の有無を曖昧に記載

警察署・公安委員会は図面の細部まで見ています。
素人がフリーハンドで書いた図面は、ほぼ確実に修正が入ります。


図面の作成ポイント(実はここが一番難しい)

深酒届出で最もトラブルが多いのが図面です。

✔ 図面で警察がチェックするポイント

  • 客室の広さ・用途
  • 視界が遮られる構造がないか
  • 見通しの悪い個室がないか
  • 出入口の位置
  • バーカウンターの位置・高さ
  • 音響設備や照明のレイアウト

などなど…挙げたらキリがないくらいチェックポイントがあります。

💥 よくあるNG例

  • 客席が完全個室に近い
  • カーテンで仕切っている
  • 照明が暗すぎる
  • 客が見えない死角が多い

警察は“犯罪が起こりにくい構造”を求めています。

手続きの流れ

  1. 店舗契約(重要!)
     居抜き物件や図面が古いことが多いため、契約前に行政書士に相談すると安全。
  2. 図面の作成
     CADで作成するのが一般的。専門家と連携する人が多い。
  3. 必要書類の準備
  4. 警察署へ届出(開業の10日前まで)
  5. 受理されれば営業可能(届出受理日から10日後)

無届で営業した場合のリスク

無届で深夜営業しているお店はリスクが大きいです。

❗ 無届営業が発覚するケース

  • 近隣からの苦情
  • 他の店のトラブル捜査のついで
  • 警察の立入調査
  • 酔客のトラブル

❗ 無届だとどうなる?

特に「図面が面倒だから後回し」という店が多いのですが、
後になればなるほど、トラブルのリスクも費用も増えます。


■ 深酒届出が必要ないケース(誤解が多いポイント)

  • 0時前に閉店する店
  • お酒を提供しない深夜カフェ
  • 接待をする店(そもそも1号許可が必要)
  • ライブハウス(形態による)

「深酒が必要かどうか分からない場合」は、専門家に相談するのが早いです。


実際にあった、“夜の街のリアル話”

◆ケース①ガールズバーが深酒届出だと思っていたが…

オーナーは「うちは接待しないから深酒届出でいい」と思っていたが、
実際には女の子が隣に座って会話する営業スタイルで、実質的に接待あり → 風営1号許可が必要

結果、届出の区分を間違えて再申請、2ヶ月オープンが遅れることに。

◆ケース②居抜き物件の図面が古くて大炎上

居抜きのバーを改装して深夜営業を始めたが、
図面が10年前のままで現状と違う部分が多く、警察に指摘されて受理されず。

開業が1ヶ月延期に。

◆ケース③無届で営業していた居酒屋が警察に…

深夜までお酒を提供していたが、深酒届出をしていなかった。
客同士の喧嘩で警察が来て無届が発覚。
結果、指導+営業停止処分に。


■ 行政書士に依頼するメリット

✔ 図面作成の正確性

全ての図面を正確に作成するには経験が必要となってきます。

✔ 警察への説明がスムーズ

行政書士は地域の警察署の傾向を把握しているため、通りやすい図面や書類の作り方を知っています。

✔ 開業が早くなる

自力で図面を作ると2〜3週間かかることも…。(警察署へ行っても補正だらけで何回もやり直しをする方が結構いらっしゃいます。)

専門家なら数日で届出ができます。


まとめ 深酒届出は「早めの準備」が最強

深酒届出は、法的には“届出”ですが、実務上は許可並みに重要です。

  • 図面が複雑
  • 警察が細部まで確認
  • 無届のリスク大
  • 開業の遅れにつながる

だからこそ、準備は早く、慎重に、正確に。

開業前に一度専門家へ相談すれば、トラブルなくスムーズに進みます。

当事務所は許可率100%を更新し続けています!相談料は無料です。

深夜届出や風営1号許可でお困りの方は、お気軽にご相談ください!

この記事を書いたのは

あおい行政書士事務所

行政書士 中村佳織

神奈川県在住。高校生と中学生の二児の母。最近子どもの反抗期に参っていて、己の精神力アップの修行中。

趣味はサウナ・岩盤浴、そしてラーメン巡り。

お酒好き。柴犬のぽん(♀)に毎日癒されてます。

コメント

コメントする

CAPTCHA